2006
友人から夢枕獏の『陰陽師 龍笛ノ巻』を借りて読んだ。日本にいた頃は、岡野玲子さんの描く漫画版の「陰陽師」を揃えていて、久し振りに読んだ晴明と博雅の掛け合いが懐かしくて楽しかった。
安倍晴明はもちろん日本の歴史的人物だが、彼に関する創作作品はシャーロック・ホームズの流れを汲んでいると思う。「一体どういう事なのだ?おれにも説明してくれぬか」と聞く博雅に、「これは呪さ」と晴明が答える構図は、「何が起きたんだ?」とびっくりしているワトソンに、「この事件はすべてあの男が起こした事なのだよ、ワトソン君」と自信たっぷりに答えるホームズそのものである。
漫画版の陰陽師は各巻のタイトルを十二神将の名前から取っていて、ゆえに十二巻で完結するとあらかじめ決まっていた。そのせいか、終わりが近づいた十一巻は明らかに分厚くなっていて、巻数が決まっているというのも大変だなぁと思って買っていた。漫画の方が完結したと聞いたので、じゃあ最後の十二巻を買って読もっかなーとネットで調べたら、なんと十三巻まであるではないか。う、うそつきぃー!!
きっと、十二巻では終わらなかったのだろう。それまで読んでいても、本当にあと一冊で終われるのかな、これ…と心配していたから、しょうがないかも知れない。でも、あと一冊買うつもりが二冊買わないといけなくなり、相変わらず分厚いので値段も高くて、買うのを躊躇している。
買うのを躊躇しているもう一つの理由は、シリーズの前半に比べて九巻の「内裏炎上」から話がややこしくなり、よく解らなくなってしまったせいもある。それまではショートストーリー形式”晴明と博雅の平安妖怪冒険譚”だったのが、なんだか哲学書みたいになってきてしまったのだ。 それでも読みたいと思いつつ、きっと読むのは将来日本に行く機会があった時かも知れない。
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